
家庭学習にタブレットは本当に必要なのかな?
この記事では、教科や子どもの年齢によってタブレットと紙を使い分けることが、わが家の家庭学習には合っていたということを、実体験から紹介します。
「タブレット学習を家庭に取り入れるべきか迷っている」「一般論だけでなく、実際の家庭の様子も知りたい」という方の参考になれば嬉しいです。
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家庭学習でのタブレット活用とは?

まずは、家庭学習におけるタブレット活用について、一般的な情報を紹介します。
文部科学省が推進するGIGAスクール構想では、1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを整備することで、特別な支援が必要な子どもを含め、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、個別に最適化された教育環境を実現することが目指されています。この端末を家庭に持ち帰り、家庭学習でも活用する動きが広がっています。
信州大学の佐藤和紀准教授は、文部科学省のインタビューの中で、これまでの家庭学習は個人での学習にとどまりがちだったが、クラウドを活用することで進捗の共有や相談ができるようになり、家庭にいながらクラスの友達とつながって学習に取り組めるようになった点を良い変化として挙げています。
一方で、電子機器を使いながらの学習が本当に理解の助けになっているのかについては、慎重な見方をする研究もあります。
米ラトガース大学(ニュージャージー州)の心理学教授アーノルド・グラス氏らは、大学の講義を受ける118人の学生を対象に、講義の半分では電子機器の使用を許可し、残り半分では使用を禁止するという実験を行いました。
その結果、電子機器を使っていた講義とそうでない講義とで、その場での理解度テストの成績にはほとんど差が見られなかったものの、期末試験のような長期的な記憶の定着では、電子機器を使っていたグループの成績が下がる傾向が見られたと報告されています。
この研究は大学生を対象にしたものですが、「その場ではできているように見えても、後になって定着度に差が出ることがある」という視点は、家庭学習でタブレットを使う際にも参考になりそうです。
※ここでは、あくまで「一般的にはどう言われているか」を中心に紹介しています。
家庭学習×タブレットの特徴・ポイント

一般的に、家庭学習にタブレットを取り入れると、次のような特徴があるといわれています。
- 間違えた問題をその場で解説してくれるなど、個別に最適化された学習がしやすい
- 進捗をクラウドで共有できるため、学校や友達とのつながりを感じながら学習できる
- 音声やアニメーションなど、紙にはない工夫で取り組みやすくしている教材が多い
- その場での理解度と、長期的な記憶の定着は必ずしも一致しないという見方もある
- 画面を見る時間の管理や、情報モラルに関するルール作りが必要になる
導入すれば終わりではなく、家庭でのルール作りや、紙の教材との組み合わせ方も合わせて考えていく必要がある点は、押さえておきたいポイントです。
参考資料
- 文部科学省「GIGAスクール構想×家庭学習」(https://www.mext.go.jp/studxstyle/special/39.html)
- Rutgers University「Cellphone Distraction in the Classroom Can Lead to Lower Grades, Rutgers Study Finds」(https://www.rutgers.edu/news/cellphone-distraction-classroom-can-lead-lower-grades-rutgers-study-finds)
- Glass, A. L., & Kang, M.(2019)「Dividing attention in the classroom reduces exam performance」Educational Psychology, 39(3), 395-408.
家庭学習のタブレットはいつから取り入れられる?
家庭学習にタブレットを取り入れる時期について、明確な決まりがあるわけではありません。学校では、GIGAスクール構想によって小学校入学と同時に1人1台端末が配布されるケースが一般的になってきています。
「○歳になったら必ずタブレット学習を始めるべき」ということではなく、学校での配布状況や、お子さんがどのくらい端末の操作に慣れているかによって、家庭学習への取り入れ方は変わってくるといえそうです。
低学年のうちは保護者が一緒に使い方を確認しながら、少しずつ一人でも使えるようにしていくご家庭が多いように感じます。
わが家の場合はどうだった?
ここからは、わが家の子どもたちの実体験です。
算数の計算問題で感じた、紙との違い
わが家では、算数の計算問題をタブレット教材でやらせてみたことがあります。
そこで感じたのは、子どもが「早く解いてアイテムをもらいたい」という気持ちで、とにかく急いで解こうと必死になる様子でした。正解すればごほうびのアイテムがもらえる仕組みのある教材だったのですが、じっくり考えるというより「早く終わらせたい」という意識の方が強く出ているように見え、紙のドリルで解いているときとは明らかに雰囲気が違うと感じました。
ただし、計算ミスをすればもちろんゲームはタイムオーバーとなり前に進めません。
「計算を楽しくミスなく早くする」の3点セットが得られるのはメリットだと感じました。
プログラミング教材への取り組み
プログラミングについては、「これからの時代は必要になりそうだな」となんとなく感じている保護者の方も多いのではないかと思いますが、わが家も同じように感じ、プログラミング教材のアプリに子どもを取り組ませています。
実際にやらせてみると、親の私では教えられないような部分も、子どもの方が飲み込みが早く、あっという間に使いこなしていきました。
今ではスムーズに自分でプログラムを組んで遊べるようになっていて、この吸収の早さは大人とは違うものだと感じています。
紙で書くことへのこだわりと、末っ子との違い
算数やプログラミングとは違い、漢字やひらがなについては、紙に鉛筆で書くことで定着していると、わが家では感じています。
上の子二人は、紙の教材を中心に取り組んだことで、2歳ごろにはひらがなが読めるようになり、3歳ごろには書けるようになりました。
一方で、一番下の子には「タブレットでもいいかな」と思い、上の子たちよりも早い段階からタブレット教材を渡してみたことがあります。
ところが、まず机に向かってじっくり集中して取り組むこと自体が難しく、実際に鉛筆を持たせてみると、上の子二人のときと比べて筆圧がかなり弱いと感じました。この違いを目の当たりにしてから、わが家では「書く」という動作そのものに慣れておくことの大切さを、あらためて意識するようになりました。
家庭学習にタブレットを取り入れてよかったこと
わが家で実際にやってみて感じたメリットは、次のようなことです。
- 間違えた問題をその場で解き直せるため、子どもが自分で気づく場面が増えた
- 丸つけや解説を自動でしてくれる分、家事や下の子のお世話をしながらでも子どもが一人で家庭学習を進められる時間ができた
- プログラミングなど、親では教えきれない分野にも子ども自身がどんどん取り組んでいけた
特に、プログラミングのように親の知識が追いつかない分野を、子どもが自分の力でどんどん吸収していく様子は、タブレットならではの良さだと感じています。
反対に、わが家で難しかったこと
一方で、うまくいかなかったことや難しさを感じた点もあります。
- 算数の計算問題では、「早く終わらせてアイテムをもらう」ことが目的になりがちで、じっくり考える力にはつながりにくいと感じる場面があった
- タップやなぞり書きが中心の教材もあり、鉛筆でしっかり文字を書く機会が減っていると感じることがあった
- 末っ子にタブレット教材を渡したときは、上の子たちと比べて集中して取り組みにくく、筆圧の弱さも感じた
「タブレットを取り入れれば家庭学習がうまくいく」というわけではなく、教科や子どもの年齢によって向き不向きがあることを、実際にやってみて感じました。
家庭学習のタブレットについてよくある疑問
Q.家庭学習にタブレットは何歳から取り入れられる?
A.一般的には、学校での端末配布に合わせて小学校入学前後から取り入れるご家庭が多いようです。わが家では、末っ子に早い段階からタブレット教材を渡してみたところ、集中して取り組みにくいと感じた経験があり、年齢や子どもの様子を見ながら判断することが大切だと感じています。
Q.家庭学習でタブレットを使うと理解が深まる?
A.ラトガース大学の研究のように、電子機器を使っているときの「その場での理解度」と「後になっての定着度」は必ずしも一致しないという見方もあります。わが家でも、算数の計算問題では「早く終わらせること」が目的になりやすいと感じており、教科によって使い方を工夫する必要があると考えています。
Q.家庭学習にタブレットと紙の教材、どちらか一つに絞るべき?
A.必ずしも絞る必要はないと感じています。わが家では、漢字やひらがなの定着には紙を、プログラミングなど親が教えきれない分野にはタブレットを、というように使い分けています。
まとめ|家庭学習のタブレットについて、わが家で感じたこと

- 一般的には、GIGAスクール構想により学校での端末配布が進み、家庭学習にもタブレットを取り入れる動きが広がっている一方、ラトガース大学の研究のように、その場の理解度と長期的な定着は別物だという見方もある
- わが家では、算数の計算問題は「早く終わらせたい」という気持ちが先に立ちやすく、紙のドリルとは取り組み方の雰囲気が違うと感じた
- プログラミングは、親が教えられない部分も子どもが自分でどんどん吸収し、タブレットならではの良さを感じた
- 漢字やひらがなの定着には紙で書く経験が大切だと感じており、末っ子にタブレットを渡したときは集中しにくさや筆圧の弱さを感じた
家庭学習にタブレットを取り入れるかどうかに絶対の正解はなく、教科やお子さんの年齢によって向き不向きがあるのかもしれません。
この記事が、家庭学習×タブレットを検討している方の一次情報として、少しでも参考になれば嬉しいです。
わが家で実際に使用しているタブレットについては、別の記事で紹介しております。


